日本電機工業会(JEMA)は22日、2023年度の白物家電出荷額が前の年度比2.4%減の2兆5244億7500万円だったと発表した。2年ぶりにマイナスに転じた。新型コロナウイルス禍が明け、消費が外出やレジャーに傾いたことが影響した。24年度は訪日外国人や家事の時短などの需要で家電の高機能・高価格化が進み、プラスになる見通しだ。
出荷額に占める割合が大きいルームエアコンは前の年度比1.1%減の7819億9000万円、出荷台数は4%減の877万5千台だった。台数では3年連続のマイナスとなる。23年春に過剰に出荷した分の在庫がはけて下期は堅調に推移したものの前の年度を上回れなかった。
洗濯機の出荷金額は1.4%減の3942億8100万円、出荷台数は3.3%減の415万台だった。一方でドラム式洗濯機は好調で、4年連続で過去最高の出荷台数を更新する。家電量販店の担当者は「最近は単身世帯でもドラム式洗濯機を購入するなど、家電にこだわりを持つ消費者が増えている」と話す。
JEMAは24年度の白物家電出荷額は前年度比1.2%増の2兆5748億円になると見通す。高価格帯家電の販売増や訪日外国人需要で全体を押し上げるとしている。
同日JEMAが発表した24年3月単月の出荷金額は前年同月比2%減の2468億円だった。JEMAは「例年3月は新生活商戦で盛り上がるが、今年は前年ほど上がらなかった」と話す。冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなど新生活家電とされる製品が伸びなかった。
全体の出荷額をけん引するルームエアコンは前年同月比2.9%減の856億1100万円だった。7カ月ぶりにマイナスに転じた。23年3月は過去2番目に出荷が大きかったため、上回ることができなかった。
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