建て替え後のビル本館(右)にはオフィスや高級ホテルが入る

世界貿易センタービルディング(東京・港)と鹿島、東京建物などは22日、建て替えを予定する同ビルの本館・ターミナル棟の開発概要を明らかにした。オフィスや高級ホテル、商業施設などで構成し、2027年から順次開業する。国際ホールや多言語に対応した医療施設も設けるなどし、都内湾岸エリアの競争力を高める。

21年に先行開業した高層ビルの南館と合わせ、約1万6000平方メートルの敷地面積を開発する。複合ビルや会議場などをつくり、全体の完成は29年度を見込む。JR東日本グループとも組み、直結する浜松町駅(同)の建て替えや改良工事も進める。

高さ約235メートルの本館9〜34階にはオフィスを整備する。1フロアは2800平方メートル程度で、柱のない空間に設計するなど開放感を高める。36〜46階にはフランスのホテル大手アコーが手がける高級ホテル「ラッフルズ」が日本に初進出する。低層階には観光体験施設や医療センター、子どもの一時預かり所などを設ける。

高さ約55メートルのターミナル棟には、国際会議や展示会に対応したカンファレンス施設を用意する。JR東傘下の商業施設「アトレ」やバスターミナルなども入る。

浜松町周辺の湾岸部では、野村不動産とJR東が2棟の高層ビル建設を進めるなど再開発が活発になっている。世界貿易センタービルディングの大志万延也取締役は22日の記者発表会で「すでにオフィス入居の引き合いがある」として、周辺の開発関係者とも「情報を共有しながらエリア全体の魅力づけに向けて連携していく」と話した。

世界貿易センタービルは東京商工会議所の主導で1970年に完成した。高さは152メートルと、当時は国内初の超高層ビルとされる霞が関ビルを抜き日本一高いビルだった。老朽化で21年に閉館し、鹿島などによる建て替え工事が進められてきた。

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