富士フイルムは米ノースカロライナ州で建設中のバイオ薬製造受託拠点に追加投資を決めた

富士フイルムは12日、製薬会社から医薬品の製造を受託する事業の能力増強に12億ドル(約1800億円)を投じると発表した。米国の拠点に新たに生産設備を設ける。バイオ製薬企業からの旺盛な需要に対応する。

ノースカロライナ州ホーリースプリングス市に建設中の工場に追加投資する。同拠点については既に20億ドル以上の投資を発表済みだ。28年までに同拠点での生産能力を32万リットルと従来計画から倍増させる。

がん治療などに使われる「抗体医薬品」と呼ばれるタイプの薬の生産設備を設ける。化学合成でつくる経口薬など従来型の薬と比べ、高い治療効果が期待される分野だ。世界大手やスタートアップが開発に力を入れている。

富士フイルムはバイオ薬の開発や製造を受託する「CDMO」の世界大手。増産へ投資する競合のスイス・ロンザや韓国サムスンバイオロジクスなどに対抗する狙いがある。

同社はこれまでにも日欧などで生産能力の増強に向けた投資を公表している。米国への追加投資を含め、28年までに約7000億円を投資する。グループ全体の生産能力は約75万リットルと、足元から5倍に高まる見通しだ。11年の事業参入以来の累計投資は1兆円を超える見通しだ。

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