大阪商工会議所など関西の3商工会議所は19日、ライフサイエンス産業の振興に関する要望をまとめた。人工知能(AI)や患者の医療データの利活用などイノベーション(技術革新)促進に加え、国産の医療機器・医薬品の自給率向上などが柱。同日付で内閣府や厚生労働省に意見を出した。

大学や研究機関で取得した医療・健康データを巡って現行法では被験者からの同意や通知が必要となっている。個人情報保護の観点で事実上、データ利用は限られているが、「匿名性を前提に幅広い研究機関などでの二次利用を望む声は多い」(大商)。

提案では一定のリテラシーを持ってデータの取り扱いができる個人と認定されれば適格性があると判断。こうした個人データは、利用ルールの順守など条件を満たした研究機関などに提供できるようにする。データの流通を通してより効果の高い医薬品や医療機器の開発につなげる。

また、新型コロナウイルス流行期には医療機器や衣料用ガウンなどが不足し、多くの医療機関が調達に追われた。政府は供給力を強化しているが、国産品の「自給率」が示されていない。要望では主要な医薬品や医療機器に関し自給率の目標を定めるほか、自給率達成に向け品目ごとの優先順位をつけるよう求めた。

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