物価高や円安の影響で、海外旅行はアジアが人気だ(写真は羽田空港の国際線出発ロビー)

調査会社のインテージ(東京・千代田)は2024年の夏休みに関する調査結果をまとめた。夏休みの予算総額は前年比2.6%減の平均5万8561円で、企業の大幅な賃上げや定額減税にもかかわらず、物価高や円安により消費者の節約志向が強まっていると分析した。

6月27日〜7月1日に全国の15〜79歳の男女5000人を対象に夏休み期間(7月13日〜9月30日)の予算や過ごし方を調査した。

予算が減る理由を複数回答で聞いたところ、「物価高・円安だから」が51.5%で最も多かった。「給料が増えないから」(35.2%)、「電気代・ガス代が上がるから」(33.1%)が続いた。

予算が増える理由も「物価高・円安だから」が最多の26.9%だった。全体の7割が「物価高・円安は予定に影響」と回答するなど、長引く物価高と円安が夏休みの過ごし方に影響を与えている。

海外旅行の予算額は前年比14%減の平均44万3058円だった。円安や原油高に伴う燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の上昇に加え、現地の宿泊費なども高騰している。遠い欧州などは避け、近場で円安の影響が小さいアジアの人気が高いという。

国内旅行(宿泊あり)は前年比2%増の10万2318円。予算が増える理由として「宿泊料金が高くなっているから」(37.7%)や「物価高・円安だから」(29.6%)が挙がった。

「夏休みの過ごし方」(複数回答)については「自宅で過ごす」が36.9%で最も多く、「国内旅行(宿泊あり)」(19.1%)、「ショッピングや食事など」(18.5%)が続いた。長距離移動は抑え、近場で過ごす傾向が強まっている。

夏休みが猛暑となった場合、「予定の変更を検討する」と答えたのは13.5%だった。「水分をこまめにとる」が50.9%で最も多く、「外出を控える」(40.8%)、「冷房がきいている施設で過ごす」(36.3%)が続いた。ほぼ全ての項目で、女性が男性を上回った。

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