エチレン生産設備の稼働率は低迷している(国内のエチレン生産設備)

石油化学工業協会(東京・中央)は18日、化学製品の基礎原料であるエチレンの生産設備の6月の稼働率が77.6%(速報ベース)だったと発表した。好不況の目安とされる稼働率90%を23カ月連続で下回った。中国勢の増産などを背景的に需給バランスが崩れた状態が続いている。

エチレンは自動車や家電など耐久消費財や日用品などに使う合成樹脂の原料となる。生産量は前年同月比6.7%減の35万7100トンだった。エチレンや誘導品の製造プラントの定期修繕もあり、生産量が落ち込んだ。

石油化学工業協会の工藤幸四郎会長(旭化成社長)は「8割を切るのは、相当厳しい状況だ。この水準よりは少し上がるだろうが9割を超えるのは難しい」と話した。下期以降は、品質不正で減産が続いていた国内自動車メーカーの生産回復などで改善に期待を寄せるものの、大幅な改善は見込めない。

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