記者会見するNTTコムの小島克重社長㊧とトランスコスモスの牟田正明共同社長(17日、東京都千代田区)

NTTコミュニケーションズ(コム)は17日、企業の間接業務を請け負うビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)でトランスコスモスと協業すると発表した。生成AI(人工知能)や、その基盤となるNTTの大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi(つづみ)」を使い、顧客対応窓口「コンタクトセンター」の開発などに取り組む。

新たなコンタクトセンターは2024年度中に提供を始める。つづみは性能の指標となる「パラメーター数」が70億と軽量であるため、自社の環境下やNTTグループのプライベートクラウドで安全に利用できる。高いセキュリティーが求められる金融業界などを中心に27年末までに100社の導入を目指す。

まずはチャットの応対から始める。利用者がチャットに質問事項を入力すると、AIが要望に応じた最適な回答を提示する。オペレーターの応対時にはつづみが画面上で専門的な回答を提示することで、電話応対の心理的負担を軽くする。今後はAIによる自動応対もできるようにする。

両社はほかにも温暖化ガス(GHG)の排出量の可視化や、自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する取り組みも始める。経理や人事といったバックオフィス業務などのBPOサービスも共同で開発し、順次提供していく。NTTコムの小島克重社長は「両社で5年間で1000億円のビジネス規模を目指す」と意気込む。

【関連記事】

  • ・NTT、「IOWN」で目指す世界標準 iモードの教訓糧に
  • ・NTTデータ、生成AI基盤サービス クラウドから提供

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。