KDDIは10日、同社のネットワークセンターの敷地に大型蓄電池を設置すると発表した。運転開始は2025年の予定で、電気を充放電して収益を得る。再生可能エネルギーの導入が進む中、蓄電池は需給調整の役割を担うと期待されている。運用の知見を得て、今後は自社の消費電力の脱炭素化につなげる。
KDDIが蓄電池を設置して電気を売買するのは初めて。KDDI小山ネットワークセンター(栃木県小山市)の敷地内に送電線と蓄電池を直接つなぐ系統用蓄電池を3台置く。蓄電池はGSユアサ製で、容量は1台で約5600キロワット時。12月から建設を始め、25年10月の運転開始を見込む。
KDDIグループのauリニューアブルエナジー(東京・千代田)が発電事業者として蓄電池を持ち、東京電力ホールディングスがシステムの設計や設備の保守を担う。蓄電池の制御や市場取引はKDDIグループで新電力のエナリス(同)に委託する。
蓄電池は送電網とつなぎ、価格が安い時間に充電、高い時間に放電する。電気の売買のほか、供給力を売買する「容量市場」や需給を調整して報酬を得る「需給調整市場」でも運用して収益を得る。
KDDIグループは30年度までに二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルを目指している。今後は太陽光由来の電気を蓄電池にため、夜に供給するなどの使い方を検討し、電気の脱炭素化を進める。
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