輸出統計品目として納豆の番号が新設されたのが2017年。以降、輸出は数量・金額ともにほぼ右肩上がりで、この6年で倍増している。ちなみに納豆は、冷凍の状態で世界各国に輸送される。
どの国からの需要が高いのか、17年と23年の輸出数量を国・地域別に比較したところ、この6年間で明らかな変化が見られた。
17年は全体の約40%を占める米国が最大の輸出先で、韓国と中国が2位・3位を争っていた。今や米国と中国がきっ抗し、3位以下に香港、台湾、韓国がランクインしている。
17年に2位だった韓国は5位にランクを下げているが、輸出量に大きな変化はない。カナダ、オーストラリア向けはむしろ増えているのに、順位は下がっている。それだけアジア圏の伸び幅が著しく、特に中国は圧倒的な存在感を放っていることがわかる。
そこで東京税関管内の2023年の納豆輸出量を国別に示したのが以下の図だ。興味深いのは、中国向けが見当たらない。
実は国内における中国向けの輸出総量85万9496トンのうち8割が、函館税関管内から輸出されていた。函館税関管内の納豆の輸出相手国は、中国と韓国の2カ国のみで、輸出量の9割以上が中国向けだ。
北海道は大豆の一大生産地であることから輸出用納豆の製造コストを圧縮できるうえ、中国では「北海道ブランド」に根強い人気があるという。中国向け納豆の主力メーカーである北海道はまなす食品では、偶数を好む中国向けに、4個パックの商品を用意。日本語表記の包材を使用することで日本の商品であることを明示しつつ、中国語のラベルを貼付するなどの工夫を重ね、功を奏している。
世界へ向けての納豆輸出量は2024年も、前年を上回るハイペースで伸び続けている。日本を代表する健康食品の一つとして、粘り強く定着することを期待したい。
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