公正取引委員会は、独占禁止法違反の疑いがある行為を事業者に自主改善させる「確約手続き」という行政処分について、処分後の自主改善状況を監視する仕組みを強化することを決めた。藤本哲也事務総長が7日の定例記者会見で発表した。

 確約手続きは、海外にならい2018年に導入された。従来の公取委の調査より時間がかからず、素早く公正な競争環境を取り戻せるとされ、適用例が増加傾向にある。今年4月の、米グーグル本社を対象とした処分でも使われた。

 一方、改善が企業任せになり、事後チェックが利かないことを懸念する声もあった。そこで今後は原則、弁護士や監査法人など「独立した第三者」による改善状況の監視が行われるよう、事業者側に求めることにしたという。

 また、改善状況の定期報告を求める期間については、これまで原則3年としてきたが、5年に延ばす。藤本事務総長は「独立性のある外部専門家の客観的な監視を経て実施されることで、より確実な履行になる」と話した。

 確約手続きの適用対象は、強い立場を利用し取引先に不利益を与える「優越的地位の乱用」や、他の商品を不当に一緒に購入させる「抱き合わせ販売」などに限られ、カルテルや談合は対象外。(増山祐史)

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