キヤノンや日本メドトロニックなどは3日、複合現実(MR)を活用して肺を観察できる医師向けシステムを7月上旬から提供すると発表した。ディスプレーで実物大の肺の立体画像を動かしながら操作できる。医師の教育目的の需要があるとみている。
新システム「MRアナトミー」はキヤノン製のヘッドマウントディスプレー「MREAL X1」を使い、CTで撮影した肺の画像を立体化して表示する。手をかざすと肺を自由に動かすことができ、血管とがんの位置関係などが分かる。導入する病院の患者のCT画像を使って事例を学べる。
複合現実を活用することで、肺の奥行きなどがより分かりやすくなる。肺がんを取り除く手術では精緻な肺の構造の理解が必要になるため、トレーニング用に需要があると見ている。
キヤノンとキヤノンITソリューションズ、日本メドトロニック、ザイオソフトの4社で開発した。月額25万円(税抜き)で使える。日本メドトロニックが病院向けに提供する。
2024年中に4施設の呼吸器外科に導入する計画だ。発売から3年以内に30施設での導入を目指す。将来は肺以外にも肝臓などに領域を広げたり、医療機器として規制当局に申請したりすることを検討する。医療機器として認められれば、手術前のシミュレーションなどで使える可能性があるという。
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