記者会見する三洋化成の樋口社長㊥ら(1日、京都市)

三洋化成工業は1日、京都大学医学部付属病院と共同開発した創傷治療に使う人工たんぱく質について、医療機器として製造販売に必要な薬事承認を厚生労働省に申請したと発表した。重度の床ずれなど治りにくい傷の治療で活用を目指す。承認が得られれば2025年度中に実用化し、30年度に関連製品で60億円以上の営業利益を目指す。

三洋化成と京大病院は「シルクエラスチン」と呼ぶ人工たんぱく質の治療材料が21年から取り組んだ企業治験で良好な結果を得られたとしている。同日、記者会見した樋口章憲社長は「従来の医薬品とは違うメカニズムで治療に貢献できる。米国などにも展開して将来の中核事業に育成したい」と話した。

シルクエラスチンは傷口を覆うようにして使う。人工たんぱく質が周辺の細胞の足場のような役割を果たして傷の治癒を助ける。三洋化成は膝の半月板の再生に使う製品も開発している。

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