富士フイルムホールディングスは成長領域と位置づけるバイオ薬の製造受託事業への投資を増やしている

富士フイルムホールディングス(HD)は1日、社会貢献事業に用途を絞るソーシャルボンド(社会貢献債)で最大2000億円を調達すると発表した。3~10年債で、7月中の発行を予定する。調達額は国内最大規模だ。バイオ薬の製造受託事業の能力増強に当てる。

3年債、5年債、7年債、10年債の合計で最大2000億円を見込む。主幹事証券は大和証券と野村証券、SMBC日興証券、みずほ証券が務める。富士フイルムHDが社会貢献債を発行するのは22年4月以来2回目で、前回は1200億円だった。

調達した2000億円は、製薬会社からバイオ医薬品の製造や開発を受託する「CDMO」と呼ばれる事業の能力増強に振り向ける。化学合成でつくる従来型の薬では難しかった病気を治療できる可能性があり、製薬会社の研究開発が活発化している。

CDMOも需要拡大が見込まれ、競合するスイス・ロンザや韓国サムスンバイオロジクスも多額の資金を能力増強に投じる。富士フイルムHDも4月、米国拠点への能力増強の追加投資に12億ドル(約1900億円)を投じると公表していた。

富士フイルムHDはバイオ薬の製造受託事業に11年に参入した。参入から28年までの累計の投資額は1兆円を超える見通しだ。

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