コスモエネルギーホールディングス(コスモHD)は家庭の使用済みてんぷら油をガソリンスタンドで回収し、再生航空燃料(SAF)として再利用する実証を始めた。東京都内の3カ所で使用済み油を集め、SAFの生産設備に送って加工する。SAFの原料を安定して確保する手段になるかを確かめる。
ガソリンスタンドで家庭の使用済み油を集め、SAFとして再利用するのは国内初という。練馬区、中野区、港区の給油所に回収ボックスを設置。ペットボトルなどに入れて持ち込んでもらう。金銭のやりとりは発生しない。消費者は油を固めて捨てる手間が省ける。
コスモHDは2025年に、石油元売りで初めてSAFの生産設備を堺製油所(堺市)に稼働させる。家庭で捨てられている油も重要な原料になるとみている。9月以降に対象のガソリンスタンドを広げ、回収量を増やす。
脱炭素が広がる中、SAFは既存のジェット燃料の代替として需要が高まる。植物由来の油や廃食油など原料の奪い合いが激しくなると予想されている。
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