政府は28日、財務省の茶谷栄治事務次官が退任し、後任に新川浩嗣主計局長を昇格させる人事を発表した。同省国際部門トップの神田真人財務官も退任し、後任に三村淳国際局長が就任する。幹部人事の発令は7月5日付だが、財務官と国際局長のみ7月31日付。
新川氏は予算編成を担当する主計局の経験が豊富。主税局幹部や首相秘書官なども歴任した。社会保障費や防衛費の増大に加え、日銀の金融政策変更で「金利のある世界」が到来する中、財政の持続可能性をどう確保するか手腕が問われる。
財務官は、7月下旬にブラジルで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の後に交代する。
神田氏は3年間の在任中、ウクライナ支援のほか、2023年は先進7カ国(G7)議長国として国際協調の推進に取り組んだ。円安進行を受けて、22年秋と今年春には為替介入を指揮した。三村氏も、引き続き不安定な国際情勢や歴史的な円安への対応が課題となる。
他の財務省幹部人事では、主計局長に宇波弘貴官房長が就任。官房長には坂本基総括審議官、坂本氏の後任には寺岡光博主計局次長をそれぞれ起用する。
理財局長には窪田修内閣人事局人事政策統括官が就き、国際局長には土谷晃浩国際局次長が昇格。関税局長には高村泰夫内閣官房内閣審議官、財務総合政策研究所長には小宮義之こども家庭庁官房長がそれぞれ就任する。
住沢整国税庁長官は退任し、後任に奥達雄理財局長が就任。青木孝徳主税局長は留任する。
新川浩嗣 事務次官(財務省提供)
三村淳 財務官(財務省提供)
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