交通規制の期間を縮めてスムーズな改修を後押しする(28日、埼玉県深谷市内で実施した試験施工の様子)

大林組は28日、高速道路の橋の更新にかかる作業期間を従来の半分に短縮できる新工法を報道陣に公開した。橋桁などの上部構造を3割ほど軽いコンクリート部材に丸ごと取り換えることで、雨天での工事も可能になる。高速道路の老朽化が進むなか、交通規制する期間を縮めて改修できる点をアピールして受注につなげる。

新工法は22年に開発した架け替え工法「HOLLOWAL(ホローワル)」で、コンクリート製の「中空床版橋」と呼ぶ橋を対象とする。橋の部材をつり上げる専用の機械と組み合わせ、橋桁や橋桁の上でアスファルト舗装の土台となる床版を一体で取り換える。大型のクレーンを使う工法に比べて、交通が規制される車線が少なく済む。

床版だけを削り取って取り換える従来の工事よりも工事費は1〜2割増える一方、「生コンクリートを流し込んで固める作業の手間が減り、工事も天候に左右されにくい」(大林組橋梁技術部の岩城孝之担当部長)。高速道路会社にとっては交通規制の期間を縮められるため、大林組によると全体のコストは安くなるとしている。

26日と28日の計2日間で、大林組が埼玉県内の調達先の工場敷地に東日本高速道路(NEXCO東日本)や首都高速道路会社の担当者も招いて工事の様子を実演した。

NEXCO3社が管理する道路のうち開通後40年以上が経過したものは約4割を占め、各社は更新を急いでいる。大林組は東名高速道路や中央自動車道の橋の場合、橋の長さベースで20%程度を中空床版橋が占めると見込む。新工法での早期受注を目指す。

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