JERAの碧南火力発電所に設置されているアンモニアの貯蔵タンク

JERAは26日、石炭火力の碧南火力発電所4号機(愛知県碧南市)でアンモニアを2割混ぜて燃やす実証試験を終えたと発表した。有害物質の排出量や運転性能は悪化せず、良好な結果だったとしている。商業運転に向け、アンモニアの貯蔵タンクや気化設備を増強する。

4月から実証を続けていた。発電機(出力100万キロワット)に熱量比で20%のアンモニアを混ぜて運転した。窒素酸化物(NOx)の排出量は石炭のみより悪化せず、硫黄酸化物(SOx)は約2割減った。温室効果の高い一酸化二窒素(N2O)は検出限界値以下だった。2025年3月までにボイラーや周辺機器への影響も詳細に調べる。

早ければ27年度に4号機、29年度には5号機で20%のアンモニアを常時混ぜた商業運転をする予定だ。7月にも貯蔵タンクの増設などにとりかかる。現在は容量1300トンのタンク1基で、新たに同4万トンのタンク4基を設置する。

アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない。低炭素で作られたアンモニアを使えば、石炭火力発電の脱炭素に向けた有力な手段となる。JERAは国内の石炭火力で、アンモニアの比率を30年代前半に50%、40年代までに100%と段階的に高める計画だ。

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