前田尚宏社長(左)は26日の記者会見で「クロスセルによる収益効果が見込める」と話した(福井市)

前田工繊は26日、三井化学の子会社で土木資材を手がける三井化学産資(東京・文京)の全株式を取得することで合意したと発表した。取得価格は55億円で、2025年4月1日付で株式の譲渡が完了する見通し。主力事業である土木資材分野で相乗効果を出し、収益を拡大する。

三井化学産資の24年3月期の売上高は90億円。同日、記者会見した前田工繊の前田尚宏社長は「事業分野が重なっているため、クロスセル(併売)による収益効果が見込める」と話した。23年6月期の売上高営業利益率が17%だった前田工繊に比べ、三井化学産資は1.8%と差がある。前田工繊のノウハウを生かして利益率を改善する。

前田工繊は地方の中小企業を中心にM&A(合併・買収)を繰り返してきた。買収先の売り上げ規模は今回が過去最大だという。取得価格も13年に買収した自動車用ホイール製造のBBSジャパン(富山県高岡市)と同程度の規模となる。

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