京セラは、通信機器事業の説明会を開き、一般の個人向けスマートフォンから撤退した後も、人気の「トルク」シリーズは一般向けに販売を続けると明らかにした。同事業本部の担当者は「法人向けとしてしか使われないようなスマートフォンにするつもりはない」と述べた。

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 トルクシリーズは防水性能や耐衝撃性能に優れ、登山などのアウトドア系の趣味を持つ人から人気を集める。同事業本部の原田正夫氏は「スマートフォンとしてのトレンドを捉えた上で、業務用途でさらに便利にしていくスタンス」と説明。交通系IC機能の搭載も続けるとした。これまで通り、通信キャリアを通して販売する。いまも利用者の多くは運送業や建設業などの法人という。今後も基本は法人向け機種として開発を続け、製品の方向性は変えないという。

 京セラは収益悪化を背景に、2024年度中に一般の個人向けスマートフォンから撤退する方針を示している。今後は法人向けの機種にしぼって開発、生産する。バーコードの読み取り機能やバッテリー性能の向上など、仕事現場で使いやすい機能の開発を目指す。医療や物流、建設業界など向けに注力するという。事業としては、今年度中の黒字回復を見込んでいる。(田中奏子)

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