安全対策を発表する岡井社長(25日、東京都千代田区)

電動キックボードのシェアサービスのLuup(ループ、東京・千代田)は25日、安全対策を強化すると発表した。都内で試験提供する罰則規定と安全経路を表示するナビ機能を全国に広げる。2023年7月から電動キックボードは一定条件で免許無しで乗れる。この間にループの利用拠点は2.2倍に拡大、増える利用者に安全走行を促す。

罰則規定は交通違反ごとに点数を加算し、一定の水準に達すると30日間利用できなくなる。電動キックボードは「特定小型原動機付き自転車」に分類され、道路交通法を守る必要があり、警察の取り締まり対象だ。信号無視や歩道走行などすべての交通違反で罰則規定の点数が加算される。飲酒走行など重大な違反は一度で無期限の利用停止となる。

罰則はループの5割強の車両拠点が集中する都内全域で1月から試験的に導入し、今後は大阪府や京都府、名古屋市などの残る9つの主要都市に順次取り入れる。岡井大輝社長は「罰則の整備ですべての利用者が緊張感を持って利用するようになる。悪質な利用者の排除でより安全な環境の確保につなげたい」と強調する。

今後は位置情報と走行速度などから歩道走行などの違反を検知できるようにすることを検討する。罰則は電動キックボードのみが対象で、電動アシスト自転車は対象外となる。

4月から都内で提供するナビ機能は、通行量が多い大通り以外のルートをアプリ上に表示する。岡井社長は「路上駐車のクルマを避けようと、減速せずに歩道走行する利用者が一定数いる。ナビ機能で交通量の少ない道を案内することで減らせる」と話し、このナビ機能も順次全国展開させる。

電動キックボードは23年7月の改正道路交通法の施行で、16歳以上で最高速度が時速20キロメートル以下といった条件を満たせば、免許無しで乗れるようになった。警察庁によると、事故件数は毎月20件前後で推移している。岡井社長は「利用者数の増加に比例して、事故件数は増えていない。事故確率は減少傾向で、地域の警察や自治体と連携した啓発活動を今後も続けたい」と話す。

(亀井慶一)

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