大同特殊鋼は24日、自動車部品の鋼材を加工しやすくする熱処理の工程で使う焼鈍炉を受注したと発表した。化石燃料を使わず電力のみをエネルギーとするのが特徴。自動車などの製造工程での二酸化炭素(CO2)排出削減が求められる中で、同社はカーボンニュートラルな熱処理ができる製品を提案している。

自動車エンジンの動力を車軸に伝えるプロペラシャフトなどを製造する浜名部品工業(静岡県湖西市)から受注した。受注額は明らかにしていない。納入は2025年7月末ごろを予定する。

焼鈍炉は部品を削りやすくするために、鋼材を加熱する炉だ。大同特殊鋼はこれまで、磁石の製造などに使われる真空熱処理炉を販売してきた。

今回受注した炉は、車部品の熱処理向けで、真空技術を応用したものだ。炉内を真空状態にすることで、CO2発生のもととなるガスを炉内に入れなくても、鋼材が酸化したり炭素が失われたりすることを防ぎながら熱処理ができる。

同社は2030年までに同型の真空焼鈍炉を6〜8基販売することを目標に掲げる。

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