石油化学工業協会(東京・中央)は18日、化学製品の基礎原料であるエチレンの生産設備の3月の稼働率が78.7%(速報ベース)だったと発表した。中国の増産による市況の悪化に加え、定期修理に入った設備の影響で80%を下回った。好不況の目安とされる稼働率90%は20カ月連続で下回り、低迷が続いている。
エチレンは自動車や家電、日用品などに使う合成樹脂の原料となる。3月の生産量は40.6万トンで前月比で9%減、前年同月比では12%減だった。2月に比べ稼働日数は2日多かったが、2月にはなかった定期修理が2社の2プラントで始まり、生産量減につながった。
エチレンを原料とする主要4樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)の国内出荷量は、供給先の稼働日増加などで前月比では増えた。ただ前年同月比では、中国での設備増強や需要回復の遅れによる市況悪化が響き、4樹脂全てで下回った。
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