国土交通省の久保田秀暢物流・自動車局次長が登壇した(21日、東京都千代田区)

国土交通省の幹部は21日、報道各社などに向けた説明会でトヨタ自動車などで判明した認証不正について、「欧州や韓国などが採用する国連基準にも反している」と語った。日本は62の国・地域が加盟する国連協定に加盟しており、基準を合致させている。今回明らかになった認証不正が海外当局でも同様に認められない違反であるとの見方を示した。

国交省の久保田秀暢物流・自動車局次長が登壇し「国際的に決めた認証基準を日本だけ緩めることはガラパゴス化につながる」と指摘。日本で車の量産に必要な認証「型式指定」を得ると、国連協定に加盟する他国で同様の試験を経ずに認証を得られる。日本が基準から外れると他国が認証を認めず、他国での試験が必要となれば、結果的に負担増につながる可能性がある。

トヨタでは後面衝突試験で基準に定められた重さ1100キロの台車を衝突させるべきところ、1800キロの台車をぶつけたデータを国交省に提出していた。同社の豊田章男会長が「本来より厳しい試験」と説明したが、久保田氏は「重たい台車に対応して車を強固にすると、ブレーキや燃費など他の性能に影響する」と指摘。基準は実際の事故を基に定めており、メーカーが独自に基準を解釈する運用は認められないとの立場を強調した。

認証制度において日本が世界的な信頼を損なわないため、「改めて法令順守の徹底が欠かせない」と語った。その上で新技術の採用などで認証手続きが年々複雑化している実情を踏まえ、「デジタル化などで業務効率の改善を進めていくべきだ」とした。

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