マブジェネシスは有効性や安全性の高いペット用の抗体医薬品の開発に取り組む(同社の研究施設)

抗体医薬品を開発するマブジェネシス(横浜市)は、イヌの様々な病気の治療に使える抗体医薬品について仏アニマルヘルス大手セバ・サンテ・アニマルと独占ライセンス契約を結んだ。マブジェネシスは契約一時金に加え、開発進捗に応じて収入を得る。金額は明らかにしていない。

独占契約を結んだのは、マブジェネシスの技術をもとに両社が共同研究で取得した治療用抗体の製造や販売に関する権利。これをもとにセバ社は今後複数のイヌ向け治療薬の製造販売を目指す。

ペットの高齢化などでイヌやネコなどの医療市場は拡大している。動物薬の2021年の世界市場は340億ドル(約5兆3700億円)に上り、うち4〜5割がペット向けだ。しかし多くがワクチンや害虫駆除剤で、イヌやネコ専用の治療薬はまだ少ない。これまでは人用の治療薬を転用するケースが多く、有効性や安全性に課題があった。

マブジェネシスは宮崎大学と藤田医科大学の研究成果を基に2019年に設立した。独自の遺伝子増幅技術を使って治療薬の元となりうる約100億種類の抗体群を造る技術などに強みを持つ。イヌやネコなどに有効性の高い抗体医薬品の開発に取り組んでいる。

25年中に計5社との異なるライセンス契約の締結を目指す。

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