ドローンを使った「森林価値」の計測実験(23年11月、徳島県神山町)

ケーブルテレビ徳島(徳島市)や四国電力など4社は、ドローンを使って森林の経済価値を推計する実証実験の結果を公表した。徳島県神山町の山林で撮影したデータを基に対象地域の樹木の種類や高さを割り出し、伐採した場合の価値を試算した。現地での間伐実績と対比したところ、大きな差は出なかったという。

実験は2023年11月から2カ所の民有林計15ヘクタールで行った。ドローンに載せた高精細カメラで樹種と本数を、レーザーセンサーで樹高を割り出し、推定される直径から製材にした場合の市場価値を試算した。

その上で対象エリアで間伐を行い、実績値との差を比べた。全体では収穫木の体積で2割、価格で1割、試算の方が少なかったが、上空からの撮影では計測できない「背の低い下層木」の価値を加味すれば、両者の数値はほぼ同等だったという。

実験では二酸化炭素(CO2)の吸収量も算出した。CO2の排出を売買するカーボンクレジット(脱炭素証書)市場での活用につなげる。詳細は未定だが、今後も実験を続けて精度を高め、IT(情報技術)を使ったスマート林業の普及を目指す。

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