デジタル課税を巡る経過
経済協力開発機構(OECD)加盟各国が巨大IT企業などの税逃れを防ぐため検討している「デジタル課税」を巡り、6月末までをめどとしてきた多国間条約の署名式が再び延期される見通しとなったことが17日、交渉関係者への取材で分かった。当初は2023年中を目指したが、対象企業の多い米国で反対論が根強く、半年間延期。その後も条文の詰めの作業が難航し、7月以降に先送りの見通しとなった。 英国とフランスでは今後、総選挙が予定されている。米国も11月に大統領選を控えており、結果次第では国際協調の機運が低下する懸念もある。 デジタル課税の多国間条約は、約140の国・地域が21年10月のOECD会合で合意した。対象となるのは全世界での売上高が200億ユーロ(約3兆円)超で、売上高に占める利益の割合が10%を超える多国籍企業。利益率が10%を超える部分の25%を各国での売上高に応じて配分する。 条約の参加国は、国内に対象企業の本社や工場などの拠点がなくても、サービスの利用者がいれば税金を受け取れるようになる。
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