北海道産のホタテは中国向け輸出が多く、禁輸の影響を大きく受ける

北海道漁業協同組合連合会(北海道ぎょれん)は、北海道北部の稚内市にホタテ加工工場を新設する。全国有数のホタテ産地であるオホーツク海沿岸に近い場所に新たな加工拠点を設け、生産能力を引き上げる。新工場では冷凍貝柱を年間1300トン生産する計画だ。

鉄骨2階建てで、延べ床面積は4433平方メートル。9月に着工し、2025年3月に操業を始める予定だ。総事業費は37億5000万円で、東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出に関する経済産業省の補助金も充てる。米国や欧州連合(EU)向けに輸出する際に必要となる食品衛生管理に関する国際規格「HACCP(ハサップ)」取得も計画する。

道内では中国向けに殻付きホタテを輸出していたが、中国による日本産水産物の禁輸で輸出が停滞した。殻付きでは国内・海外ともに販路が少なく、殻をむいて貝柱にするなど加工能力の増強が課題になっている。道産ホタテの冷凍貝柱は大ぶりで国内外から引き合いが強い。工場の新設で加工能力を増強し、販路拡大につなげる。

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