JR北海道の綿貫泰之社長は北海道新幹線の函館駅乗り入れについて車両費負担や事業主体について懸念を示した(17日、札幌市)

JR北海道の綿貫泰之社長は17日の記者会見で、函館市による北海道新幹線の函館駅乗り入れに関する調査の結果を受け「現時点では(乗り入れは)可能とは思っていない」と述べた。調査結果で整備費に盛り込まれなかった車両購入費の負担や営業主体についての問題を解決する必要があるとの見方を示した。

函館市は3月、新函館北斗―函館間の在来線にレールを1本追加したり、駅のホームを改良したりすれば160億円前後の整備費で乗り入れが実現可能との調査結果を公表した。市への経済波及効果は年間114億〜141億円を見込む。

ただ、整備費に車両購入費は含まれていない。JR北は2011年に並行在来線の経営分離について函館市と同意している。綿貫社長は「この区間で当社は事業主体にはなり得ない。厳しい経営環境を踏まえれば、新しい負担は負えない」と強調。乗り入れには在来線と新幹線の電圧の違いに対応する車両の購入が必要になるとも指摘した。

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