旭化成は低温や高温にも対応できる電解液の実用化を目指す

旭化成は7日、低温や高温でも使用できるリチウムイオン電池向けの電解液の技術検証に成功したと発表した。電池メーカーなどに技術を供与し、2025年に実用化を目指す。低温時も高出力を維持でき、高温への耐久性も高いという。電池性能向上によって電気自動車(EV)での搭載電池の削減やコスト低減にもつなげられる。

ニッケルなどを使わない「リン酸鉄リチウムイオン(LFP)」系電池で、一般的なリチウムイオン電池の使用推奨範囲より低温のマイナス40度、高温では60度での性能を検証した。従来の電解液と比べ、高温で充放電を繰り返しても電池容量を維持するほか、低温でも高い出力を維持した。

リチウムイオン電池では低温時では電池容量や出力が下がりやすく、高温下では電池の劣化が加速するのが課題だった。誘電率が高い溶媒を活用しながら調合技術などを工夫し、低温や高温でも性能が落ちないようにした。EVなど電動車向けの利用を想定し、電池メーカーに技術ライセンスを供与し実用化につなげる。

【関連記事】

  • ・旭化成、EV向けヒューズを電子化 繰り返し使用可能に
  • ・旭化成、カナダに2000億円でEV電池材料工場 ホンダ向け

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。