テンサーエナジーがサービスを導入した太陽光電所併設の蓄電池

再生可能エネルギーの発電量や市場価格の予測サービスを手掛けるTensor Energy(テンサーエナジー、福岡市)は、太陽光発電所の蓄電池を人工知能(AI)で自動管理するサービスを始めた。電力の需給状況に合わせて蓄電池の充電や放電を制御する。再生エネによる電力の有効活用や売電収入増につなげる。

天候に左右される太陽光発電などの再生エネは発電量の予測が難しい。発電量の多い日中などにためた電力を必要な時に使える蓄電池の普及が進むなか、電力の需給状況に合わせて蓄電池を適切に充電したり放電したりすることが安定運用するうえで課題になっている。

6月1日に運用が始まった熊本県荒尾市の太陽光発電所の蓄電池(容量約3メガワット時)にシステムを導入した。発電量が需要より多い場合はAIが蓄電池に充電の指示を送る。発電量が少ないと放電を指示する。AIが電力の需給をもとに蓄電池を自動でコントロールするため業務効率化にもなる。

日照条件の良い九州などでは日中に発電量が需要を上回り、発電をあえて抑える「出力制御」が頻発している。太陽光で発電できない夜や朝などは電力不足となり、火力発電に頼るなどしていた。電力の需給バランスが崩れると停電などにつながる。

テンサーエナジーは今後5年で九州を中心に太陽光発電所の蓄電池100カ所へのサービス導入を目指す。

【関連記事】

  • ・系統用蓄電池、北海道で参入相次ぐ 接続は数年待ちも
  • ・再エネ「捨てずに蓄電」先進地ベルギー 情報1分ごと更新
  • ・蓄電池とは 電気をためて需給を調整

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。