調剤薬局最大手のアインホールディングス(HD、札幌市)は4日、「物言う株主」として知られる香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」から、取締役2人の解任などを求める株主提案を受けたと発表した。アインHDは、取締役会の意見がまとまり次第、意見を公表するとしている。株主総会は7月30日。

 提案内容は、現在の取締役2人の解任とともに、新たな取締役4人の選任を求めている。このほか、社外取締役の報酬決定などについても議題に挙げている。

 オアシスをめぐっては、今年3月、アインHDの株式の9.60%を保有していることが明らかになった。その後、株式保有比率を14.89%に高めていた。これにより、オアシスの保有比率は大株主の大谷喜一社長やセブン&アイHDを上回り、オアシスが筆頭株主になったとみられる。

 オアシスは昨年6月にも、ドラッグストア大手のツルハHD(札幌市)に対して、社外取締役の一新を求める株主提案を行った。ツルハは反対を表明。その後、ツルハの筆頭株主であるイオンが、ツルハ株をオアシスから追加取得し、イオンの子会社でドラッグストア最大手のウエルシアHDと経営統合することで決着。ドラッグストア業界の再編につながった。(佐藤亜季)

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