九州電力系で変圧器の製造・販売などを手がけるキューヘン(福岡県福津市)は5日、約10万4000件の個人情報が社外に漏洩した可能性があると発表した。顧客の名前や住所、電話番号が含まれる。社内ネットワークの一部が第三者による不正アクセスを受けた。被害は現時点で確認されていないという。

漏洩した可能性があるのは、給湯器の販売やメンテナンス、修理などに使用する個人情報。このなかには九州電力から給湯器販売で委託を受けた約4000件も含まれるという。福岡県警に被害届を提出したほか、国の個人情報保護委員会などにも報告した。該当する顧客には順次連絡している。

キューヘンによると、不正アクセスによって個人情報のデータが暗号化されたことを3日に確認した。ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)による攻撃とみている。すでに影響を受けたパソコンを停止したり、ネットワークからデータ保存領域を切り離したりする緊急対応を取ったといい、攻撃者からの要求の有無については「答えられない」(同社)とした。

キューヘンの工場は通常どおり稼働している。ただ社内ネットワークの一部停止でメールが使えなくなったため、社内のやり取りは「ファクスや電話に限られ情報伝達に苦慮している」(同社)という。

九州電力は5日、今回の攻撃による同社システムや電力供給への影響はないと発表した。

キューヘンは「顧客や関係者に心配と迷惑をかけ深くおわびする」とコメントした。

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