記者会見する近藤新会長(3日、東京都港区)

重電機器や白物家電の業界団体、日本電機工業会(JEMA)は3日、新会長に富士電機の近藤史郎社長が就任したと発表した。近藤氏は同日の記者会見で「エネルギーの安定供給と脱炭素化の実現が課題だ」と述べた。カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギー導入の最大化や次世代技術の新市場創出などの支援をしていく考えを示した。

JEMAは22年5月に2050年のカーボンニュートラル達成に向けた工程表を示している。近藤氏は発電設備から産業機械まで幅広い業種の会員企業がいるとしたうえで、「再生可能エネルギーの低コスト化や火力発電の脱炭素技術の開発、原発再稼働に向けて取り組む」と述べた。

24年度中に政府がエネルギー政策の方向性を示す第7次エネルギー基本計画を策定する。近藤氏は第6次基本計画を策定した21年からは生成AI(人工知能)の登場で状況が全く変化していると指摘した。「生成AIの普及で電力需要は増しており、電力の安定供給と脱炭素化の実現は必須だ。電機業界を代表して実現可能性のある計画の策定に向けて提言をとりまとめていく」とした。

近藤氏は3日に開かれた定時総会で選出され、任期は1年。副会長には三菱電機の漆間啓社長が就いた。

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