ソニーグループの半導体事業会社、ソニーセミコンダクタソリューションズは31日、2027年3月期までの3カ年で約6500億円の設備投資を計画していると公表した。22〜24年3月期実績から3割程度減らす。新技術を使った製品の量産ラインの立ち上げに苦戦するなど収益性が低下するなか、投資を取捨選択して採算を改善する。
31日に開いた事業説明会で明らかにした。清水照士社長兼最高経営責任者(CEO)は24年3月期までの3カ年について「投資に対する効率が悪化し、収益性の改善に課題が残った」と述べ、今後3年間は「既存資産を最大限活用し、投資はより厳選していく」とした。
同社はスマートフォンのカメラに使われる半導体画像センサーが主力で、24年3月期の営業利益は前期比9%減の1935億円だった。営業利益率は12%と前の期に比べて3ポイント低下した。
熊本県合志市の新工場を4月に着工したことも明らかにした。工場の土地面積は37万平方メートルで、まずは建屋を完成させる。製造装置の搬入時期は今後の画像センサーの需要拡大に合わせて判断する。足元で収益改善に努める一方で、将来の市場拡大に機動的に対応できるようにする。
合志市の新工場は、熊本県菊陽町にある熊本工場のほか、台湾積体電路製造(TSMC)が建設中の新工場の近くに立地している。
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