佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は27日、日本記者クラブのオンライン記者会見で、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場について「玄海町が適地だとは思っておらず、引き受ける考えはない」と述べた。脇山氏は立地選定の第1段階となる文献調査を、原発立地自治体として初めて受け入れることを10日に表明した。

記者会見で説明する佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長(27日、オンライン)

脇山氏は、文献調査の受け入れが「国民的議論を喚起する一石となり、日本全体で適地を見つけるための呼び水になればありがたい」と語った。第2段階の概要調査に進むかどうかについては「未来のことを言うのは難しい」とするにとどめた。

文献調査の受け入れに伴う最大20億円の交付金に関しては「国とは話をしていないが、町の基金は十分にあり交付金目的ではない。(受け取れば)周辺自治体へ配分することになるだろう」との考えを示した。

佐賀県の山口祥義知事との意思疎通について問われると、脇山氏は「原子力に関する知事の考えは尊重するが、考え方が最初から違うので今回の件について詳しく話すつもりはない」と語った。

山口氏は玄海町の地元団体が文献調査受け入れを求める請願を町議会に提出したことが4月に明らかになって以降、「県として新たな負担を受け入れる考えはない」とたびたび言及している。

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