ニデックは24日、過去に公表した有価証券報告書と決算短信の一部を訂正すると発表した。減速機を手掛ける子会社ニデックドライブテクノロジーによる売上高計上などにミスが見つかり、2023年3月期と24年3月期の連結純利益(国際会計基準)を計82億円下方修正した。ミスを防ぐための内部統制に不備があったことを認め、再発防止に努める。

23年3月期の有価証券報告書と、22年4〜6月期から23年10〜12月期までの四半期報告書、24年3月期の決算短信などを訂正した。2年間の連結決算における下方修正は売上高が138億円、営業利益は104億円。金額の大半は23年3月期が占める。

訂正により23年3月期の売上高は前の期比16%増の2兆2300億円、営業利益は47%減の899億円になった。従来発表に比べそれぞれ127億円、101億円下振れした。

グループ間の取引を伴う売上高などの連結調整の一部で誤認があったという。5月に入り、会計監査人であるPwC Japanと連結調整にかかわる処理を再確認するなかで発覚した。ニデックは「多大なご迷惑をかけ、心よりおわび申し上げる」とコメントした。

原因については「組織間でのコミュニケーション不足により、決算処理に関するモニタリング体制が不十分だった」としている。

ニデックは23年、分配可能額を超えた配当を22年4〜9月期に実施していたと発表した。内部統制に課題が残るとみられがちな中で、今回の事案が判明した。信頼回復へ実効性のある対策が求められる。

また、自社株取得枠の設定期間の延長も24日に発表した。新しい設定期間は5月27日〜25年5月26日で、発行済み株式数(自社株除く)の0.87%に当たる500万株を上限に最大350億円の自社株買いを実施する。株主還元を手厚くし、資本効率の改善につなげる。

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