インターネット通販大手アマゾンジャパン(東京)の商品配送を担う個人事業主の配達員らが24日、同社の1次下請けの運送会社などに対し、法律上の労働者と認めて残業代を支払うように求める訴えを横浜地裁に起こした。労働組合の「東京ユニオン・アマゾン配達員組合横須賀支部」と代理人弁護士が、都内で開いた会見で明らかにした。

提訴後に記者会見する個人事業主の配達員(中央)ら=24日、東京・霞が関の厚生労働省で

 個人事業主は会社に雇用される労働者と異なり、基本的には労働基準法の対象外で、労働時間の上限規制は適用されず、残業代は支払われない。しかし会社の指揮監督下にあるなど働き方の実態に「労働者性」が認められれば、労働者と同じ保護が受けられる。  原告は、下請けから配送業務を委託された配達員ら計16人で、このうち11人が1次下請けの運送会社(横浜市)を提訴。残りの5人が2次下請け3社のいずれかを相手取り、16人分合わせて1億1600万円余りの残業代の支払いを求めた  原告の1人で元配達員の50代男性は、1日200個以上の荷物を配達してきたとし「自由裁量はなく、12~13時間労働になる。委託契約としてはおかしい」と主張した。代理人は、1日8時間の所定労働時間を超える時間外労働が3~4時間になると推計、長時間労働に伴う拘束性が高く、法律上の労働者に当たると訴えた。  1次下請けの運送会社は取材に「(原告の)主張内容の詳細は承知しておりません。訴状の送達を受け次第、内容を精査し、裁判手続きを通じて当社の正当性を主張してまいります」と答えた。(大島宏一郎) 

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