ENEOSは24日、川崎製油所(川崎市)で人工知能(AI)による装置の自動運転を始めたと発表した。原油を石油製品に変える装置に適用し、AIが圧力や流量などを最適化する。製油所運営の省人化のほか、稼働率の向上につなげる。AIで原油処理装置の自動運転に取り組むのは世界で初めてだという。
AI開発のプリファード・ネットワークス(東京・千代田)と共同で自動運転のシステムを開発した。原油を高温にして沸点の違いでガソリンや軽油に分ける機械「常圧蒸留装置」に導入した。製油所では産地・性質の違う原油を混ぜて使うこともあり、安定した運転には細かい調整が求められる。これまでは熟練作業員の知見に頼っていた。
川崎製油所にAIを導入しても、全体の運転人員は変更しない。運転調整を担っていた担当者はデータの監視など別の業務に専念させる。運転データの顕著な変化をいち早く見分けることで、異常を早めに検知できるとみる。
新たなAI運転システムはENEOSの他の製油所にも広げるほか、国内外の石油元売りへの外販も検討する。
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