国内外の環境団体は15日、3メガバンクと国内発電最大手のJERAの経営に関わる中部電力に対し、気候変動対応の加速を求める株主提案を出したと発表した。各企業の取締役会が気候に関連する事業のリスクを監督する人材を備えているかなどの情報開示を求めている。
オーストラリア(豪州)の非政府組織(NGO)マーケット・フォースや非営利組織(NPO)法人の気候ネットワークなどが、6月ごろに各社が開く株主総会に向けて共同で提出した。
三井住友フィナンシャルグループ(FG)と中部電に対する提案は3年連続で、三菱UFJFGとみずほFGは2年連続となる。
3メガバンクに対しては、気候変動対策に実効性があるかどうか株主が評価できることが重要と指摘した。化石燃料を扱う融資先などの計画が「パリ協定」と整合しているかをどう評価しているのか開示するよう要望している。
パリ協定は産業革命前からの世界の気温上昇を1.5度以内にする目標を掲げている。化石燃料を扱う顧客が脱炭素に向けた十分な計画を作成していないケースへの対応方法も明らかにするよう求めている。
環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク所属の個人株主は3メガバンクの融資先の移行計画に対する評価体制が緩いと主張した。「気候危機下で効果的な管理を行うための取締役など経営レベルでの専門性が不足しているように見える」と言及した。
三菱UFJFGは「株主総会に向け取締役会での議論などを踏まえ、適切に対応していく」という。三井住友FGは「内容を精査のうえ、今後対応を検討していく」とし、みずほFGは「詳細については回答は差し控える」とコメントした。
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