コベルコ建機と親会社の神戸製鋼所は22日、燃料電池で動く建設機械の開発拠点を兵庫県に設けると発表した。これまで開発を担ってきた広島県の拠点に加え、車体を動かすなどの試験を兵庫で実施する。ディーゼルエンジンに代わって燃料電池を搭載することで、車体稼働時の温暖化ガスなどの排出を減らす。騒音や振動を抑える製品として2030年度の商品化を目指す。
神戸製鋼所の高砂製作所(兵庫県高砂市)に水素を供給し、ショベルの稼働を評価するための環境を整備する。これまではコベルコ建機の広島事業所(広島市)で取り組んできた。高砂製作所にはすでに水素の充塡設備があり、ショベルの開発でも生かせる。24年度中の稼働開始を予定する。
22日に幕張メッセ(千葉市)で始まった「建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」では燃料電池を使った建機のデモを実施した。通常の建機で発生するディーゼルエンジンの音はせず、冷却ファンの音や機械の駆動音のみが聞こえた。静音性や振動の抑制に優れている。車体後部からは水が排出された。
燃料電池は水素タンクがかさばるため、車体の性能を落とさずに組み込むための開発が必要だ。インフラが整っていない建設現場にどのように水素を安定的に供給するかも課題となる。
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