記者会見する寺田親弘社長(21日、東京都渋谷区)

クラウドサービスのSansanは21日、請求書管理サービス「Bill One(ビルワン)」の機能を拡充すると発表した。入金データとの照合と経費精算に対応する。顧客企業の経理業務の負担軽減につなげる。

ビルワンは請求書をクラウド上で管理できるサービスで、2月末時点で約2600社に導入されている。これまでは取引先から受け取った請求書の管理が主な機能だったが、請求書の内容と取引先からの入金を突き合わせる「消し込み」と、経費精算ができるようになる。

それぞれ「Bill One発行」と「Bill One経費」として、従来の請求書の受領機能「Bill One受領」とは別に提供する。価格は導入企業ごとに個別に見積もる。経費精算は6月、消し込み機能は8月ごろの提供開始を予定する。

消し込みには住信SBIネット銀行の「NEOBANK」の仕組みを活用する。取引先ごとに入金専用の仮想口座を発行し、請求書と口座情報を自動でひも付ける。入金情報がビルワン上で確認できるようなり、経理業務の負担軽減につながる。寺田親弘社長は同日の発表会で「月次決済のリアルタイム化に貢献する」と話した。

経費精算では、2023年5月にサービスを始めた法人クレジットカードの機能を刷新する。企業が従業員にクレジットカードを付与し、経費精算に使ってもらうことを想定する。社員がアップロードする領収書などの証憑(しょうひょう)と、クレジットカードの利用明細を即日で照合する。受け取った領収書などがインボイス制度に対応しているかを判別する機能も備える。

Sansanは、ビルワンのほかに名刺管理サービスの「Sansan(サンサン)」や契約書管理の「Contract One(コントラクトワン)」などを手掛けている。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を追い風に、クラウドサービスを広げる。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。