財務相の諮問機関である財政制度等審議会は21日発表した建議(意見書)で、国の借金に当たる国債の利払い費の増加に備えるべきだとして、財政赤字を縮減するよう提言した。縮減に向けた具体策として、公立学校教員の給与を改善するための財源を既存予算や税制優遇の見直しで捻出するよう求めた。人口減少に応じて大学医学部定員を減らすことも示した。  岸田政権が6月にも策定する経済財政運営の指針「骨太方針」に反映させたい考えだ。関係省庁には異論もあるとみられ、政府内の折衝が活発化しそうだ。  政府は、2025年度に国と地方の「基礎的財政収支(プライマリーバランス)」を黒字化させる財政健全化目標を掲げてきた。基礎的財政収支の歳出からは利払い費が除かれるが、建議では日銀の金融緩和縮小で金利が上昇基調にあるのを踏まえ、政策経費に利払い費を加えた歳出を税収などで賄えているかどうかを示す「財政収支」に着目。金利上昇に耐えられる財政余力をつくるため、財政収支の改善に取り組むよう訴えた。


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