「日本酒は伝統文化だが、時代の変化にも合わせなければいけない」。完全無添加の醸造にこだわる「せんきん」(栃木県さくら市)の津村勇社長(80)は、経営に参画した当時の思いを語る。  1806(文化3)年から続く老舗の酒蔵だが、日本酒市場の低迷で経営危機に。酒類卸売業を長年営む津村さんが相談を受けて2008年に引き継ぎ、新会社として再出発した。東京・墨田区に営業所も置く。  コメとこうじ、水のみを材料に、コメを手作業でつぶし、木のたるを使うなど江戸時代の醸造方法に原点回帰した日本酒などがヒット。業績は回復し、果実酒分野にも参入する。「輸出用と新商品用に新しい酒蔵を探している」と笑った。


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