中国の何立峰(ホーリーフォン)副首相は17日、不況が続く中国不動産業界へのテコ入れ策として、国内で売れ残っている在庫住宅を地方政府に買い取らせ、中低所得者向けの安価な住宅に転換する方針を示した。中国人民銀行(中央銀行)も同日に住宅ローン金利の下限の撤廃を発表するなど、中国政府は不動産問題への対策を急いでいる。
何氏はこの日のオンライン会議で「住宅の引き渡しや在庫の住宅の解消など重点任務を確実に進める」と語った。国営新華社通信が伝えた。
中国国家統計局によると、国内の販売住宅の在庫面積は今年4月末時点で3億9088万平方メートルと、21年末から約1.7倍に膨れあがっている。不動産市況は深刻化しており、在庫問題に踏み込んだ対策を打った形だ。
同日、人民銀行は住宅ローン金利の下限を撤廃すると発表した。従来の下限は、各銀行の融資金利の指標となる「最優遇貸出金利」の5年物を基準に、1軒目購入時はこれより0.2%低く、2軒目は0.2%高くなる。直近では1軒目が3.75%、2軒目は4.15%だった。
また、住宅購入時の頭金比率の下限を引き下げることも併せて発表した。いずれも住宅を購入しやすい環境を整え、不振が続く住宅販売を後押しする狙いだ。(北京=鈴木友里子)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。