◆「一般の人は買えず」
「788円」。16日の夕方、東京都新宿区の新宿八百屋で、目に飛び込んできた値札。お肉? いや、キャベツ1玉の値段だった。 15日は950円、税込みで1000円を超えたため、値段の横に「ごめんなさい」と書いたという。 係長の廣田廣史さんは「17年ほど務めているが、15日はこれまでで一番高かったのではないか。一般の人はほとんど買えず、どうしても必要な飲食店など業者の人が買って行った」と話している。一玉788円の値段がついたキャベツ=2024年5月17日、東京都新宿区で
◆「異常ですよ」
農林水産省によると、現在の主な産地は千葉県、神奈川県、愛知県。2~3月の寒さの影響で成育が遅れた上、4月以降も雨の日が多かった影響で出荷量が減少し、高い価格が続いているという。 東京都内のスーパー「アキダイ」でも、15日と16日は平年なら1玉150円程度のキャベツを380円にした。秋葉弘道社長は「アキダイ始まって以来の高値で売っています」と語るが、それでも「赤字でしたね」と漏らす。仕入れ価格が通常の3~5倍程度に上がっていたためで、「異常ですよ。目が飛び出るというかね…」◆今後の値段は?
農水省が14日に発表した食品価格動向調査によると、7日~9日のキャベツの小売価格は全国平均1キロ当たり322円で、平年の1.6倍にのぼる。 ただ、担当者は、今後は「価格は落ち着くのではないか」とみている。 6月以降は、まだあまり出荷されていない群馬、長野県産なども出そろってくる見込みだからだ。 秋葉社長も「とにかくもう天井はついた。来月には平年並みの値段になるのではないか」と話している。値段が高騰したキャベツ
◆お値打ちの野菜は…
秋葉社長によると、ブロッコリーも高騰している。1つ280円程度で「平年の2倍で、ゴールデンウイーク前の高温が直撃した」という。 一方、高騰していたインゲンやサヤエンドウはピーク時の半値以下になり、それぞれ1袋238円、158円程度に落ち着いたという。春ナスも1袋5本入りで198円ほどで「平年より2割くらい安いかな。ものもいいし、いっぱい出てますね」と話す。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。