東芝は16日、非上場化後初めての中期経営計画(2024~26年度)を発表した。最大4000人の人員を削減するとともに本社機能も川崎市に移転、集約。経営の効率化を進め、26年度に売上高に占める営業利益の割合を現状の1%強から10%まで引き上げる。
同日発表した24年3月期連結決算(米国会計基準)は、純損益が748億円の赤字に転落。投資ファンド傘下で財務基盤を筋肉質にし、早期の再上場を目指したい考えだ。
東芝は国内グループ企業の50歳以上の社員を対象に早期退職を募集、11月末までに間接部門を中心に最大4000人を削減する。島田太郎社長は説明会で「会社を100年後にも残すために必要なことで、強く責任を感じている」と語った。
本社機能は25年度前半に、現在の東京都港区から研究開発部門などがある川崎市に移し、子会社統合も進める。今後はハードディスクドライブ(HDD)や鉄道など採算が悪化している事業をてこ入れした上で、半導体や発電システムなどの強化分野に経営資源を振り向ける方針だ。
東芝を買収した国内投資ファンド、日本産業パートナーズ(JIP)出身の池谷光司副社長は説明会で、過去の経営計画について「実現性の低いアグレッシブな計画となっていた」と批判した。
記者会見する東芝の島田太郎社長=16日午後、東京都港区
東芝のロゴマーク=16日午後、東京都港区
東芝本社などが入居する「浜松町ビルディング」=2021年4月、東京都港区
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