今期の業績見通しなどについて説明する河合楽器製作所の河合社長(15日、浜松市)

河合楽器製作所は15日、2025年3月期の連結純利益が前期比86%減の4億円になる見通しだと発表した。主要市場の中国で景気低迷や教育政策の転換の影響でピアノの需要が落ち込んでおり、在庫削減へ国内外の工場を一時休止し生産調整する。

主力の竜洋工場(静岡県磐田市)で年間を通じ計20日、インドネシア工場で40日間の生産調整日を設ける。生産量は前期からアコースティックピアノで約3割、電子ピアノで1割ほど落とす。河合健太郎社長は同日の記者会見で「中国では特にアップライトピアノの需要が落ち込んでいる」と説明した。

積極的な販促活動などでテコ入れしたが、在庫削減が十分に進まなかったという。減産の影響は営業利益ベースで約15億円を見込む。河合社長は「今期で在庫を正常化させる。うみを出し切る」とした。今後は販売代理店と共同で販促戦略を練り直すほか、東南アジアを中心に新興国市場の開拓を進める。

同日発表した24年3月期の純利益は前の期比24%減の27億円だった。中国事業の低迷に加え、材料費の高騰が影響した。

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