物流大手のトランコムは鴻池運輸と組み、トラック輸送と鉄道輸送を一体化する事業を始めた。トランコムが手配したトラックが東京貨物ターミナル駅(東京・品川)構内の鴻池運輸の事業所まで荷物を運ぶ。鴻池運輸が鉄道のコンテナに積み替えて全国に輸送する。トラック輸送の効率化を図り、ドライバーの働き方改革につなげる。
サービス名は「トレインクロスドックサービス」で、4月下旬に開始した。両社は24年度に大型トラック200台分、鉄道コンテナで600個分の荷物を運ぶ計画だ。
トランコムは荷主企業とトラック事業者を仲介する事業を主力としている。鴻池運輸は鉄道輸送できる環境を構築していたが、集荷に課題を抱えていた。
両社は今回の取り組みについて、トラック輸送を環境負荷の少ない鉄道や船舶に切り替える「モーダルシフト」の一環として位置づける。運転手の残業制限に伴って輸送能力が不足する「2024年問題」へ対策にもなるとみる。
トランコムの和田拓也執行役員は「本サービスを通して脱炭素化を含めた持続可能な物流モデルを構築し、物流業界が抱える課題解決につなげたい」とコメントした。同社は今後も鉄道輸送との組み合わせ事業を拡大する方向で検討を進める。
政府は今後10年で鉄道や船舶の輸送量を2倍にする目標を立てており、モーダルシフトを後押ししている。
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