北九州市は同市臨海部の響灘西地区に浮体式の洋上風力発電の産業拠点を整備する。15日に開いた関連企業などでつくる推進組織との会合で明らかにした。同市が西地区で進める埋め立て工事は2025年3月に全て完成する予定で、その用地57ヘクタールに風車を浮かせる基礎構造物の工場用地や組み立て用地などを設け、関連企業を誘致する。
洋上風力発電には風車を海上に浮かせる浮体式と海底に固定する着床式の2種類がある。現在、国内で稼働・建設・計画中の大型施設はほとんどが着床式だ。今後は排他的経済水域(EEZ)など深い海域に開発が広がり、浮体式が主流になるとされる。北九州市はすでに響灘東地区で着床式の産業拠点形成を始めており、隣接地に浮体式の拠点をつくる。
15日の会合で武内和久市長は「2050年のカーボンニュートラル実現に向けて洋上風力への期待は高まっている。(着床式から浮体式に)広がる市場を取りこぼさないよう、東アジアの一大産業拠点づくりを目指す」と話した。
自然エネルギー財団によると、世界の浮体式洋上風力発電の累積導入量は24年の0.23ギガ(ギガは10億)ワットから32年には26.1ギガワットに急拡大する見通しだ。
北九州市は全体で2000ヘクタールある響灘地区を洋上風力関連産業の総合拠点とする「グリーンエネルギーポートひびき事業」に11年から取り組んでいる。24年度中に風車を組み上げるための「基地港湾」が完成し、25年度には沖合で建設中の北九州響灘洋上ウインドファームが運転を始める予定だ。
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