西松建設は13日、2025年3月期の連結経常利益が前期比10%減の176億円になる見通しだと発表した。完成工事が多かった前期からの反動が出る。一方で受注残高は増加傾向にあり、中期経営計画の目標を引き上げた。

売上高は14%減の3450億円、営業利益は4%減の180億円を見込む。高採算工事を選別しており、売上高営業利益率は5.2%と0.5ポイント上昇する見通し。前期に特別損失を計上した反動で、純利益は微増の124億円となる。

26年3月期を最終年度とする中計の売上高目標を4150億円、営業利益を250億円とそれぞれ当初計画から450億円、30億円増やす。自己資本利益率(ROE)も10%と、8%以上から引き上げる。

配当方針も見直す。従来の「配当性向70%」から「自己資本配当率(DOE)5%程度の安定配当」に変更する。同業他社に比べ著しく高い水準となっていた配当水準を修正する。西松建設は旧村上ファンド系の投資会社の株式取得を受け株主還元を拡充してきたが、21年に伊藤忠商事が実質的な筆頭株主となっている。

同日発表した24年3月期の連結決算は、純利益が前の期比28%増の123億円、売上高が18%増の4016億円だった。大型再開発工事や物流施設の工事が寄与した。

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